今になって、学び直している。

三嶋健太

大阪芸術大学短期大学部
メディア・芸術学科 身体表現コース 2014年卒業

大阪府出身。俳優。野田秀樹が発足した「東京演劇道場」1期生。田中泯と舞台『外は、良寛。』に出演。2025 ~ 26 年放送『仮面ライダーゼッツ』では刑事・富士見鉄也役を演じる。現在、映像・舞台を中心に俳優として活動中。

学生時代の僕は、演技以外のことにほとんど興味がありませんでした。大阪芸術大学短期大学部のメディア・芸術学科身体表現コースで学びながら、とにかく芝居がしたい、演技がうまくなりたい。そればかりを考えていました。
その反面、スタッフワークについて学ぶ授業には、正直、真剣に向き合えていませんでした。当時の僕には「俳優になるのに、なぜこれを勉強する必要があるんだろう」と、その必要性を理解できていなかったのだと思います。
卒業後、俳優としてさまざまな現場に立ちました。野田秀樹さんが発足した「東京演劇道場」の1期生となり、田中泯さんと舞台『外は、良寛。』に出演。2025年から2026年には『仮面ライダーゼッツ』で刑事・富士見鉄也役を演じました。
そうしてプロの現場で経験を重ねた今、学生時代に学べたことの意味を改めて考えるようになりました。
作品は、俳優だけでは作れません。監督、撮影、照明、録音、美術、衣裳、メイク、制作。それぞれ違う技術を持つ人たちが集まり、一つの作品を作っています。スタッフの方が演技を理解してくださっていると、俳優として助けられることがあります。それと同じように、僕自身もスタッフの仕事を理解している方が、作品を作るチームの一人として、もっと良い仕事ができるのではないか。そう考え、今になってスタッフワークを一から勉強し直しています。
学生時代、もっと真剣に学んでおけばよかったという後悔はあります。でも、その後悔も含めて今の自分です。
当時の僕には必要性が分からなかった。でも、意味のないことなんてなかった。学校には、自分が興味を持っていることだけではなく、まだ自分がその価値に気づいていないことまで学べる環境があった。卒業して十年以上経った今、そのありがたさが分かります。これからも俳優として演技を磨き続けると同時に、一つの作品を作るチームの一人として、知らないことを知り、できないことを学んでいきたい。
今、僕はもう一度、学生に戻ったような気持ちで学んでいます。

踊り部 田中泯 「外は、良寛。」(2022 年)