大阪医療大学がついに開学!

3号館
2号館(円形校舎)

 理学療法士は、人々の「動き」を支える専門職として、益々大きな役割を担うようになっています。単に身体機能を回復させることではなく、「動作」や「活動」を通して、その人らしい人生を取り戻す支援を行い、人の人生の転機に寄り添い、納得のいく未来を支える仕事です。社会的ニーズの高まりを背景に、理学療法士の将来性はますます高まっており、活躍の場も、急性期医療、回復期医療、地域医療、介護予防、スポーツ分野、障がい者支援、産業保健、さらには教育や研究機関など、その活躍の場は大きく広がってきています。一方で、AIやデジタル技術が急速に進歩する時代であるが故に、これからの理学療法士には従来以上に高度な能力が必要になります。人の身体構造や活動様式を深く理解し、科学的根拠に基づいて課題を解決する力が求められています。

 理学療法学は人の障がいと向き合う学問です。患者一人ひとりの人生や価値観に寄り添いながら最善の支援を提供するためには、知識や技術だけでなく豊かな人間性やコミュニケーション能力、新しい課題に挑戦する探究心も求められます。当学科では、関連領域に対する知的好奇心と、人を支えたいという思いと、そして、自ら学び続ける姿勢を持ち、多様な価値観を尊重しながら他者と協働できる人材を歓迎しています。大阪医療大学は2026 年4月に開学した新しい大学です。長い伝統を持つ大学には大きな魅力がありますが、本学のような新しい大学には、自ら伝統を創り上げることができるという特別な魅力があります。学生には単なる受動的な学習者ではなく、大学の未来を共につくる創造性に富んだ人材であってほしいと考えています。大きな夢や志を持ち、自ら行動できるパイオニア精神あふれる学生を求めています。

 大阪医療大学理学療法学科の大きな特徴の一つは、最先端の医療・研究・スポーツ現場と連携できる環境を兼ね備えていることです。学内には三次元動作解析システム、多用途筋機能評価装置、生体計測機器、脳波測定機器などの先進的な教育研究設備を整備しており、身体運動を科学的に分析する環境が整っています。また、スポーツ分野との連携にも力を入れており、昨シーズン、SVリーグで優勝を果たしたクボタスピアーズ大阪との包括連携を通じて、トップアスリートのパフォーマンス向上や障がい予防に関する知見に触れる機会を創出しています。さらに、脳卒中後遺症に対する再生医療に大きな注目が集められていますが、本学は脳卒中再生医療センターとの連携を通じて、再生医療とリハビリテーションの融合という新しい医療の可能性に触れることができます。最先端医療に触れながら学ぶ経験は、単なる知識の習得ではなく、「未来の医療を創る」という視点を学生に与えます。
 最後に、当学科では、単に国家資格取得を目指す教育ではなく、「理学療法を牽引する人材」、「未来の理学療法を創る人材」の育成を目標に掲げています。学生自身が納得のいく成長を支援するためにソフト面とハード面の両面を整備しております。大阪医療大学理学療法学科で、共に新しい歴史を築いていけることを楽しみにしています。

超高齢社会を迎えた日本では、医療や介護の在り方が大きく変化しています。平均寿命が延伸する一方で、病気や障がいを抱えながら生活する人も増加しており、「いかに長く生きるか」だけでなく、「いかに自分らしく生きるか」が重要な課題となっています。

文責 理学療法学科/内田 学  看護学科/生島祥江

3号館 看護学科の演習室
2号館 理学療法学科の基礎医学演習室
3号館 理学療法学科の実験室
看護学科の技術演習風景

 近代看護教育の母と称されるフローレンス・ナイチンゲールは、「看護は科学であり芸術である」と述べたとされています。ここでいう科学とは、衛生学や統計学などの客観的知識を指し、芸術とは、状況判断や観察力をもとに、相手に応じた関わりを行うことを意味します。看護の対象は人であり、習得した技術を単なる作業として提供するものではありません。同じものを見聞きしても、人は一人ひとり異なる感情を抱きます。そのため看護では、豊かな感性と創造性をもって、個々の状況に応じたケアを組み立て、実践しています。たとえ同じ処置であっても、声かけや実施のタイミング、環境調整によって、受け手の体験は大きく異なります。だからこそ、看護を行う側には細やかな配慮と工夫が求められす。近年、看護界ではこうした側面が「看護のアート」として、教育や研究の場で論じられるようになっています。設置に向けて協力を得るため、看護に関わる団体や保健医療施設を訪問すると、まず「芸術の大学が、なぜ看護の大学を」と驚かれることが少なくありませんでした。しかしその後には、「看護はアートでもあるから」と、大阪芸術大学での教育内容を生かした看護教育への期待の言葉をしばしばいただきました。私は、大阪芸術大学が看護学科を有する医療大学を設立する構想は、看護の専門家にとって決して異質なものではなく、むしろ芸術系大学ならではの看護職の輩出が期待されているのだと感じました。
 看護学科が養成する人材像は、豊かな人間性を備え、科学的根拠に基づいて看護を実践できる看護師であり、これは一般的な看護職像と重なるものです。しかし本学では、授業科目の配置において、大阪芸術大学グループの大学であることを強く意識しました。豊かな人間性を育む関連科目として、音楽に加え、感じたことを形として表現する造形の授業を配置し、他の看護系大学にはあまり見られない芸術科目を2 科目設けました。また、「看護のアート」の具体例ともいえるバーバル・ノンバーバルコミュニケーション能力を育成するため、模擬患者役を大阪芸術大学芸術学部舞台芸術学科の学生に依頼し、異なる専門分野の学生とともに学ぶ機会を取り入れるなど、授業方法にも工夫を凝らしました。これは、専門の枠にとらわれず、隣接する学問を積極的に取り入れていく大阪芸術大学の教育理念に沿うものです。
 大阪芸術大学卒業生の中には、「専門学校と違い、大学で看護師になろうとするとお金がかかる。専門学校で看護師になる勉強をすればよい」と言われる方がいらっしゃいます。確かに、私学の看護系大学の授業料は芸術大学の授業料より高くなります。病院等での臨地実習では、学習の場の提供を受け、5人程度のグループに1人の教員を配置し、臨地での看護に責任を負う指導看護師と協力しながら、多くの時間をかけて学生を育てていくため、費用がかかります。医療の現場では、多くの医療専門職が患者に関わり、療養を支えています。そのため、論理的に物事を整理し、自分の考えをもって述べる力が求められます。単に専門の知識・技術を身につける教育だけでなく、教養を身につける教育も必要です。看護職を目指す方がいらしたら、大学で教育を受けることを勧めていただきたいです。
 1 期生はまだ少数ですが、学生からは、オープンキャンパスにボランティアとして参加して後輩に入学を勧めたい、大学祭を開催して大学のことを知ってもらいたい、といった発言があり、新しい大学の気風をつくろうと活気にあふれています。温かく見守っていただければ幸いです。