塚本学院 校友会誌 WINGS Web
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凸凹母校大阪芸術大学 活躍するOB・OG

人間とは何か?人間が人間としてできることは何か?という命題の答えの一つは「本当の音楽を奏することができる」ということではないでしょうか。そして私たち京都・バッハ・ゾリステンも、それを目指します。 福永 吉宏 (ふくなが よしひろ) 京都・バッハ・ゾリステン 主宰 指揮 京都フィグラールコール 主宰 指揮 1979年 大阪芸術大学演奏学科卒業(M5409)

「クリスマス・オラトリオ」をこの3月に演奏する意味は?

クリスマスの祝祭用のカンタータ集として作曲されたこの曲は初演時には文字通り12月25日から1月にかけて演奏されました。しかし、イエスの降誕は同時にその受難と復活の始まりでもあると言えます。このオラトリオの中でバッハは、イエスの降誕と受難は強い繋がりを持っていることを様々な曲で表しています。イエスの降誕の物語を、クリスマスの祝祭用としてだけでなく、「受難」と「復活」という普遍的な問題と取り組む仲立ちとなる作品と捉え、教会歴にとらわれず、1年を通じて演奏可能な作品と考えています。

特別演奏会というタイトルについて?

プロの演奏家団体「京都・バッハ・ゾリステン」とアマチュアの合唱団体「京都フィグラールコール」が共演することでバッハの大曲に取り組むことが出来ます。今までにも特別演奏会として、「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」「ロ短調ミサ」「クリスマス・オラトリオ」この4つの大曲を順次取り上げて演奏しています。


2019年3月に行われた
クリスマス・オラトリオのチラシ

舞台でのリハーサル風景

リハーサル後の舞台裏にて

京都・バッハ・ゾリステンと京都フィグラールコールの二つの団体について一言

京都・バッハ・ゾリステンはバッハの作品を中心に演奏活動を行うプロの団体です。「バッハ・カンタータ200曲連続コンサート」など長年にわたる活動を行ってきました。管弦楽・合唱(ソロ)ともに大阪芸大の卒業生や教員が核になっています。自分自身はフルート専攻の卒業生で、現在もフルート奏者としての演奏活動をしていますが、同窓生のファゴットの滝本さん、トランペットの橋爪さん、バスの篠部さん、長く教員として指導されているホルンの辻先生。多くの卒業生や教員の皆さんと共に音楽活動を続けられることはとてもありがたいことだと思っています。
京都フィグラールコールはアマチュアの合唱団ですが、人生の先輩というべき方々も多くおられます。その皆さんとバッハの普遍的な宗教観や深い信仰心を表現した作品に共に取り組めることは、「本当の音楽を奏する」ための大きな成長・喜びにつながることと感じています。


演奏会

ソリスト(バス)篠部信宏さんから一言 

大学を卒業して初めてのソリストとしての活動は京都・バッハ・ゾリステンでした。学生時代はバッハの音楽にはほとんど触れていなかったので、ここで一から勉強させていただきバッハの音楽が大好きになりました。ファゴットの滝本さんや諸先輩方と同じ舞台に立てることを大変嬉しく思っています。


京都・バッハ・ゾリステン 卒業生メンバー(ホールロビーにて)
後列左より
声楽(バス) 篠部 信宏 音楽学科卒 M92 大学院修了CM97
指揮 福永 吉宏 演奏学科卒 M5
ファゴット 滝本 博之 演奏学科卒 M4
トランペット 橋爪 伴之 演奏学科卒 R8
オーボエ 中島 友美 演奏学科卒 R95
オーボエ 八上 裕美 演奏学科卒 R96
声楽(ソプラノ) 畑澤 紘  大学院修了 MS06
ホルン 野原さき保 演奏学科卒 R12 大学院修了 MS16
あとがき
福永吉宏さんが1981年に結成された京都・バッハ・ゾリステン。バッハの主要声楽曲を全曲演奏完遂するなど画期的な活動を続けておられます。特別演奏会をお訪ねし、リハーサル後の休憩時間に大阪芸大卒業生にお集まりいただき、指揮の福永さんにお話を伺いました。「クリスマス・オラトリオ」は2時間半におよぶ大作です。本番前の貴重な時間にも関わらず皆さん快く集まっていただき、演奏の熱気と共に卒業生同志の温かさを感じました。会場の入り口では開演の1時間以上も前からお客様の行列が出来始め、演奏会を心待ちにするお客様の熱気も感じることが出来ました。
企画広報委員 豊田 千晶
特別演奏会のご案内
2020年3月14日(土)
京都コンサートホール大ホール
J.S. バッハ「マタイ受難曲」
お問い合わせ:京都・バッハ・ゾリステン
TEL:090-8937-1207 E-mail:kbs@inter-art.gr.jp

● 福永 吉宏 Yoshihiro Fukunaga (指揮/フルート)

1979年、大阪芸術大学演奏学科卒業。フルートを故山田忠男、小久見豊子、荒井博光、西田直孝の諸氏に師事。リコーダーを西岡信雄氏に師事。1976〜1980年まで大阪リコーダーコンソート在籍中、1976年全日本リコーダーコンクール、アンサンブル部門最優秀賞・朝日新聞社賞受賞。1978年大阪文化祭賞、音楽クリティッククラブ奨励賞を受賞した。1980年ドイツ、カールスルーエ音楽大学入学。レナーテ・グライス・アルミン氏に師事。
1981年京都・バッハ・ゾリステンを結成し、主宰する。1988年、第1回フルートリサイタルを京都府立文化芸術会館で開催し好評を博す。
1999年いずみホールで行ったフルートリサイタル(バッハ・フルートソナタ全曲。チェンバロ:小林道夫)に於いて、大阪文化祭賞奨励賞を受賞。
1994年のドイツ演奏シリーズに於いてライプツィヒ聖トーマス教会にて指揮したマニフィカートが当地のテレビ・新聞にて絶賛される。
1996年、2000年カールスルーエおよびフライブルクなど各地の独日協会文化局の主催によりドイツ公演を行っている。2004年山本恭平氏と共にデュオ・ヘルム−ト・レゾナンツを結成。バンベルク交響楽団首席フルート奏者グンター・ポール氏や、ベルリン芸術大学教授ロスビタ・シュテーゲ氏を迎えて共演するなど定期的に公演を続けている。
フルート奏者として活躍する傍ら、各地でのレクチャーコンサート等を開催するなど、その活動は多彩である。
2015年より、ソリスト、オーケストラ、指揮者が三位一体となった(協奏曲シリーズ)をスタートさせ好評を博している。2018年。ドイツ、カールスルーエ音楽大学元教授、レナーテ・グライス・アルミン氏を迎えて演奏会を行う。
2005年ワオンレコードよりCD『J.S.バッハ フル−トソナタ全集〈全曲〉』(チェンバロ:小林道夫)を、2011年『G.F.ヘンデル フルートソナタ集』(チェンバロ:上尾直毅)をリリース。
日本フルート協会代議員。大阪芸術大学客員教授。神戸女学院大学講師。
京都・バッハ・ゾリステン主宰、指揮。第29回藤堂音楽賞を受賞。

京都・バッハ・ゾリステン Kyoto Bach Solisten ( 合唱/管弦楽)

1981年、バッハの作品を中心に演奏活動を行う団体として、福永吉宏によって結成された。京都の洛陽教会(京都市上京区)を本拠地として定期コンサートを行っている。大バッハの残した偉大な財産である200曲に及ぶ教会カンタータを20年の歳月をかけて演奏する《バッハ・カンタータ200曲全曲連続コンサート》を2005年11月に完結、さらに2014年には受難曲、ミサ曲、モテット、世俗カンタータを含む〈バッハ主要声楽曲〉を全曲演奏完遂した。これはヨーロッパに於いても稀少なことであり、日本では初めての試みである。1991年、創立10周年記念企画として、元ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団コンサートマスターであるゲルハルト・ボッセ氏と共演。またカンタータシリーズ第14回(1991年)から第29回まで6年間にわたり、元ハンブルク音楽大学教授でバリトンのクラウス・オッカー氏が賛助出演。1994年ベルリンのコングレスハレ、ライプツィヒの聖トーマス教会で、1996年、2000年にはカールスルーエやフライブルクなど独日協会主催で行ったドイツ演奏旅行で好評を得る。聖トーマス教会にて演奏した『マニフィカート』は当地のテレビ、新聞に絶賛された。これまでにバッハの大作『クリスマスオラトリオ』全6曲、『ヨハネ受難曲』を好演。1998年いずみホールでの『マタイ受難曲』、2000年『ミサ曲ロ短調』は各方面で話題を呼び、高い評価を得た。創立20周年記念企画として小林道夫氏を迎えての室内楽のコンサート(2001)や『ヨハネ受難曲』公演(2002)、2011年3月結成30周年記念『マタイ受難曲』公演を行った。年に2回の定期コンサートを主軸として、各地で様々な編成によるコンサートや、数多くの合唱団との共演、レクチャーコンサートなど、多彩で精力的な音楽活動を行っている。2010年、第29回藤堂音楽賞を受賞。

取材担当/
企画広報委員 豊田千晶
フォト/
松本晴名(事務局)
(演奏会写真は京都・バッハ・ゾリステン提供)


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編集>> 塚本学院校友会 企画広報委員会 発行人>> 福永亮碩